エスキス時間を削る、それは合格を諦めること

試験時間は6時間30分。限られた時間のなかで問題を解くことはとても大変なことです。
そのため、出来るだけ早くエスキスをあげることを指導しているところも多いのですが、私はそれは大きなギャンブルだと思っております。
記述と作図の悪さは失格要件を免れれば減点で済みますが、エスキスの悪さは=不合格であるからです。
仲間とオーストラリアで待ち合わせていたのに自分だけ間違えてオーストリア行ってしまうようなものです。
季節も景観も全く違うところなのです。
行き先をしっかり確認するために登場手続きが遅れそうになっても、間違ったゲートに入ってしまうより、まだ可能性があります。
過去に私クラスのある生徒さんは始めての製図試験で図面を書き上げられず不合格になってしまったため、とにかく2時間以内にエスキスをあげ誰よりも早く作図を終わらせることに命を懸けておりましたが、合格することができず、私に相談に来たため、「あなたは学校の課題でも、当たりと外れが激しかったのではありませんか」と訪ねたところ「その通りです」
「では、試験で当たりを引くまで辛抱強く何年も待てますか?」と聞いたところ「今年で最後にしたいです」とのことでしたので、確実なエスキスで望み必ず合格しましょうと誓い、方針をかえ、見事その年に合格できたのでした。
エスキスに時間をかけるためにには勿論特別な方法がありますが、それは別の機会にお話致します。